Scribble at 2026-03-13 08:54:27 Last modified: 2026-03-13 09:03:00
これまで長らく、オンラインのリソースを保存したり活用するためのプラットフォームとして、まずはウェブ・ページをローカル・コンピュータへ保存するという手順が重要だった。それこそ前世紀(1990年代)から暫くは、ブラウザの「名前を付けて保存」だけで HTML ファイルを保存するといった原始的な手順で、オンラインのリソースを溜め込んでは、それを再びブラウザで開いて眺めるような扱い方をしていた。
それが大きく変わったのは、Firefox のアドオンであった "Scrapbook" でページを保存するようになってからだ。これにより、ディレクトリ構造で保存したページやリソース・ファイルを簡単に一覧できるよう整理できるようになったのがありがたかった。おそらく10年以上は、Scrapbook で数多くのリソースを保存して、後からカテゴリーごとに整理したページを読みながら、当サイトでも多くの論説などを制作し公開してきたわけである。その代表は、A Long Way Home というテレビ映画の解説ページだ。
しかし、Firefox の仕様が変わり、従来のアドオンが使えなくなったのと同時に、Scrapbook のオリジナル開発者がアドオンの継続的な開発を終えてしまったのである。そして、ScrapbookX などを始めとして、幾つかのフォークされたアドオンが登場したけれど、それらの開発も長くは続かず、既に大量のファイルとしてローカル・コンピュータへ溜め込んだソースを利用するために、Waterfox という、Firefox の古いアドオンの仕様を敢えて残したブラウザを使っていた。しかし、そういうことにも限界がある。
そうして、Scrapbook の運用をやめることとなるが、ウェブ・ページをローカル・コンピュータへダウンロードするという慣行はそのまま続いて、ここ最近はメインのブラウザを Microsoft Edge にしたという事情もあって、SingleFile という拡張機能を使ってきた。名前のとおり、ウェブページで表示される大半のリソースを1個の HTML ファイルへエンコーディングしてしまうという、非常にパワフルなツールだ。外部の CSS ファイルなどもインラインへ取り込んでいるし、画像ですら base64 でシリアライズしたテキストとして取り込んでしまうという強力なツールだ。ただ、JavaScript などが読み込みの対象として確保している URL まで走査して取り込んだりするため、できあがった HTML はウェブ・ページの見た目からは分からないほど巨大(それこそ数百メガバイトくらい)になることがある。これにより、ウェブ・ページを簡単にローカル・コンピュータへ保存するということについては、簡単なツールが使えるわけだが、それらの整理は自分でフォルダを作ってやる必要がある。これは、早々に手がつけられなくなり、結局は日別に次々とファイルを追加していくという機械的な作業になってしまった。
それが、ここ最近は NotebookLM を利用するようになって助かっている。まず、ローカル・コンピュータのストレージ容量を気にする必要が全くなくなったというのは大きい。なんだかんだ言って、Scrapbook を使っていた頃のファイルを集めたストレージの容量は、Scrapbook の運用を止めた時点では 600 GB くらいになっていた(その半分くらいは、例の「Springer 祭り」でダウンロードした大量の論文だ)。これを、バックアップのために BlueRay に焼こうとして何日もかかり(そして何枚かは焼くのに失敗し)、そして NAS へもコピーするのに何日も費やした。NotebookLM に PDF やウェブ・ページの URL を追加すれば、そういう心配はひとまずなくなる。
ただし、僕は Google One の AI Pro プランを契約しているから、無料ユーザに比べて多くの NotebookLM ノートを使えるわけだが、それでもノートの上限は500となっているし、ノートごとに追加できるソースの数も300という上限がある(https://support.google.com/notebooklm/answer/16213268?sjid=11405248979119630059-NC)。なので、NotebookLM の使い方としては、或るトピックについて一定のソースを集めてノートへ集約し、それを活用して議論の内容や価値、それからコンセプトを掴むといった所定の目標を果たして、その成果を当サイトの落書きや論説としてまとめたり公表したり、あるいは帳面(実物の、もちろん手書きで記入する Rollbahn や Moleskine などのことだ)へ書き留めたら、NotebookLM のノートを削除して「クローズする」というプロセスを採用している。できれば、ノートは今後の NotebookLM の仕様が強化されて、他の話題(ノート)でも参照できるプライベートな RAG のデータとして再利用できる可能性もあるから残しておきたいのだが、そもそも Scrapbook であろうと、僕は「アーカイブ」が目的でやっているのではなく(そんなのは Internet Archive がやっている)、集めたソースを活用することが目的なのであるし、これらのソースを誰かに残す意図もない。僕が活用しおえたら、それらのリソースに感謝しつつ、さっさと消えてなくなろうと知ったことではないのだ。他の誰かが別の使い方で活用するかもしれない? 確かに僕は人類史スケールでものを考えている保守思想家だが、そういう意味での人類史の今後に興味はない。