Scribble at 2026-07-03 13:20:29 Last modified: 2026-07-03 13:31:38
こういうサイトが出来てるんだけど、はっきり言って何を言いたいのか意味不明だ。ローカル・コンピュータで生成 AI を使う権利? そんなの既に実現しているし、企業で開発されたモデルをオープン・ウェイトとしてリリースさせるような法令を作ったところで、企業の私有財産を何の意味もなくリリースする企業なんてないのだから、開発できたとしても「未完成」のままに留めるに決まっているし、逆にそういう法令が憲法違反であるとして行政訴訟を起こされるであろう。実際にそんなことができるのは中国のような専制国家だけだ・・・ああ、アメリカもそうなりつつあるのか。
ともあれ、このサイトを取り上げた Hacker News では、僕と同じような理由で無視している人が多いからなのか、殆どスレッドのコメントは増えていない。その中にあって、議論の中心は、やはりこのサイトの主旨も趣旨も不明ということだ。コメントでは「どの法律を止めたいのか分からない」とか「具体的な行動が不明」との指摘が多い。唯一関連しそうな例として、California AI Transparency Act が挙げられているが、ともかく何を睨んでアピールしているのかが不明確である。そして、「ローカル AI の権利」というフレーズが何を意味しているのかも分からない。サイトで説明されている要望は、「ローカルで AI モデルを所有・改変・実行する権利を法的に守ることだというが、既に GPU は各人のパソコンで動く私的財産であり、モデルだって既に自由にダウンロードできる。すると、これは新たな権利として何を追加したいのかが分からない。
もちろん、ローカルで AI を動かして十分な成果を出すには、オープン・ウェイトのモデルをリリースしてもらわないといけないのであるから、開発はそれぞれの組織で続けるにしても、どこかはオープン・ウェイトでリリースしてもらわないと困るのは確かだ。そして、ローカルのモデルが数年以内に日常タスクの80–90%を十分にこなすようになるとの予測があり、その結果として OpenAI や Anthropic などクラウド中心の企業が、オープン・ウェイトのリリースを規制したがるのではないかという疑いがあるのも確かだ。すると、それらの大企業がオープン・ウェイトのリリースを抑制するようなライセンス制度を導入したり、何らかの規制をかけるようロビー活動する可能性がある。巨大な AI 投資は財政を逼迫し、政治的に歪むリスクがあるからだ。
色々な用途で使われるようになっているので、用途によってはそういう可能性があろう。でも、たとえば画像やサウンドの生成 AI に限って言えば、そういう規制は手遅れである。プライベートな用途のために画像や音楽を生成するモデルは、既に現状でも十分な品質に達しており、全くの素人がプロのイラストレータやミュージシャンと競合できるレベルのイラストや曲を、それなりに簡単なプロンプトだけで作れてしまう段階に至ってしまっている。後は、パソコンのスペックが向上するとともにコスト・パフォーマンスも改善されて、エントリー・モデルのパソコンでも動かせるようになるかどうかだけという時間の問題にすぎなくなっている。大学生が入学祝いで買ってもらうていどのスペックしかないノート・パソコンですら FLUX.2 のようなモデルを動かせるようになるまで、あと10年もかからないであろう。
とはいえ、逆に言えば、あと10年くらい待たないと事務作業ていどの用途で買うマシンが生成 AI を動かせるようにはならないわけである。あと、やはりいまでもセット・アップは素人には難しいし、トラブルシュートも手こずるだろうし、プロンプトの書き方も参考になるサイトがあるようでない。一般論としてプロンプトのフォーマットはモデルをリリースしている公式サイトやオンラインの生成サービスで掲載されているが、特定の目的で作る画像や音楽には特定のキーワードやプロンプトを用意する必要があるので、そういう具体的で有効な情報は少ないと言える(エロ画像を作る情報が掲載されているサイトだけは大量にあるのだが)。なので、当サイトで風景写真のような画像を作るためのノウハウについて解説したいと思っているのだが、それをここで予告というか話題にし始めて2年くらい経つのに、いまだにそういうサイトが殆どないのは不思議なことだと思う。逆に言えば、そういう用途がなさそうだと多くの人が感じているのであろう。アフィリエイトが目的ならなおさら、金にならない記事を書く暇人はいないからだ。ということは、しょせん画像生成 AI の利用目的の大半は、やはりオンラインで公開されている情報の大半がそうであるように、エロ画像を作ることなのであろう。