Scribble at 2024-05-29 11:10:24 Last modified: unmodified

MD で書いたように、昨日の夜にふと思いついたのだが、キューブラー=ロスの五段階説という非常に有名な話があって、もちろん全てのケースでこの段階を追うわけでもなければ、全ての人が全ての段階を踏むわけでもないし、五つのフェイズの順番が違ったり繰り返したりすることもある。よって、いまでは「五段階」という固定した印象を与える表現ではなく、「キューブラー=ロスのモデル」などと言われたりする。

で、これは典型的なケースとしては、末期がんを告知された人が亡くなるまでにどういう経緯を追うかという話になっていることが圧倒的に多いわけだが、もちろん完治しない難病でも同じことは言えるだろうし、もっと広く言えば「自分がそのうち死んでしまうということ」全般についても似たような経緯をたどるかもしれない。実際、僕が見る限りでは、アメリカやロシアの IT 成金どもがやっている不老不死の研究だとか、いやそれどころか寿命を何年か延ばすという研究なり創薬なりナノ・テクノロジーの事業ですら、その動機を考えると、キューブラー=ロスのモデルに該当するところがあるように思う。当サイトで公開している thanatophobia という脈絡でも、それから TMT のような心理学の議論からも、同じ解釈を加えられるだろう。

そうした、具体的な創薬であれ、あるいは意識を何かに「アップロードする」といった SF 話であれ、それから更に意味不明なのだが、シンギュラリティで不老不死の答えを将来のコンピュータが弾き出してくれると言わんばかりの妄想であれ、それらに固執しているレイ・カーツワイルのような人々というのは、要するに「取引」の段階でもがいているということなのだと言えるだろう。つまり、科学技術を発達させることによって、その「ご褒美」として自分の死を避けられるというストーリーにしがみつくというわけである。愚かなことだと思うが、しかし僕よりも頭のよい、しかも莫大なお金を手にした人々が、そういうカルト宗教も真っ青の妄想に莫大な資金を投じているのだから、驚くべきことである。

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