Scribble at 2026-04-28 08:00:27 Last modified: 2026-04-28 08:08:50

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principles for keyboard layouts

この人物(Netflix のエンジニアだという)が採用しているオリジナルのキーボードが設定したキーの配列そのものには異論があって、もちろん僕は日本語の運用者として NICOLA 配列が最強だと思っているのだが、キーボードのレイアウトにあたって採用している設計思想には共感するところがある。

1. I only use keys I can reach from the homerow

指が届かないか、無理に指を伸ばさないと届かないような場所にキーを物理的に配置しない。これは「ホーム・ポジション」などと言っておきながら、殆ど指が届かないようなところへキーを配置しているキーボードは全て却下ということだ。もちろん、NICOLA 配列を採用していた富士通 OASYS のキーボードも、「実行」キーと呼ばれた ENTER キーが右下という離れた場所へ配置されていたので、あれは使い辛かった記憶がある。僕が標準的なキーボードを使うときに ENTER キーを弾くような叩き方で扱うようになったのは、富士通の(しかも業務用の)OASYS を長らく使っていたせいだろうと思う。

2. Keep it simple

使わない機能のキーはいらない。これも納得のいく方針だ。記事では、その実例として幾つかのキーが指摘されていて、僕も HHK には最初から存在しない「Windows キー」なんてものは当然のこと、他に「ファンクション・キー」だとか、あるいは僕が Windows マシンを使い始めたときから一度も、それこそ叩くどころか触れたことすらない「変換/無変換キー」や「カタカナ・ひらがな・ローマ字キー」、それから右に配置されている「右シフト・キー」や「右ファンクション・キー」なども不要だ。それから、キーはなくても機能(マッピング)として存在する「Caps Lock」という機能も、パスワードなどを入力する際に起きるトラブルの元だったりするから、これもない方が却って安全だとすら言える。そもそも大文字に固定した文字列を表記したいなんてものは西洋人だけの性癖であって、X に大文字だけで愚劣な文字を書きねるどこかの大統領ならともかく、日本人には関係のない話だ。

3. Place the most commonly used keys in the hottest spots

これも至極当然な話で、よく使う役割のキーを扱いやすい位置へ配置するべきである。現行の QWERTY 配列はレイアウトの根拠がはっきりしていないにも関わらず普及してしまっているわけで、Dvorak 配列などの理論的には優れた配列が提案されても趨勢が変わる様子はない。致命的な欠陥や不合理がない限りは、あるていどの制約だけで人は不適切な道具を使い続けるものだという一例であろう。しかし、いまどき自由に 3D プリンターなどを使ってキーボードを自作できる時代であり、多くのプログラマは異なるレイアウトのキーボードを著者のようにデザインして提案している。一般論として言えば、良いことだと思う。

このような場合に、しばしば「エンジニアというものは与えられた環境のデバイスを使わなくてはいけないので、特殊なデバイスに依存して仕事をしてはいけない」云々などと、出向、派遣、あるいは下請け根性に染まった「職人気質」みたいなものを語る人物がいて(手持ちの道具だけで仕事をするというのは、或る意味では犯罪者やテロリストのスキルでもあるから否定はしないが)、サーバには Windows のコマンド・プロンプトを使い、コーディングにはメモ帳を使うことを勧めていたりするが、われわれのように自分で用意した仕事の道具を使っても文句を言わせないレベルの人材には関係のない話だし、他の大半の人々にとっても大きなお世話だ。そういう、「隠れたスーパー・エンジニア」みたいな証拠もない漫画としか言いようのない自意識でプログラムを書いているようなフリーランサーの連中こそが、無責任に色々なプロジェクトで悲惨なバグを組み込んではどこかへ行ってしまうのである。

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