Scribble at 2026-06-19 06:51:13 Last modified: 2026-06-19 06:58:36

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WeWork の新しいアプリケーションが使い辛いという話の続きだ。Apple Store で開発側にフィードバックはしておいたものの、そこではチェック・インの操作が直感的にやりづらい(そもそも、どこでチェック・インすればいいのか UI 要素が見つかりにくい)という点だけの指摘であった。実際には、このアプリケーションは違和感を覚える視覚要素、要素の配置、そして要素の操作性について挙げていくと、正直なところ他にもたくさんある。

弊社はアプリのディベロッパーではないが、UI/UX 設計なりデザインについては大阪でも名前を知られているスタッフを擁しているし、僕もかつてはプロフィット部門のシステム部長として、なぜかデザイナーにデザインに関して恐れられていたエンジニアでもあったから(デザイナーでもあるから当然なのだが)、もうこれ以上は無償で何かを教えてやるというのもどうかと思う。ただ、そのまま何も言わないというのでは満足しているも同然と見做されかねないので、おそらく当サイトの落書きを読むとは思えないし検索にもヒットしないであろうが、ここで指摘だけはしておきたい。なお、UX については一連の操作性や挙動の説明が必要となるため、ここでは UI デザインについてのみ取り上げる。それだけでも、上に赤い丸で囲んでいるように、色々な疑問の余地がある。必ずしも「間違い」だと言いたいわけではないが、プロのデザイナーであれば再考に値するていどの指摘にはなろう。

まず左の画面は WeWork アプリの「ホーム」画面なのだが、そもそも「ホーム画面」とは何であろうか。ふつうはアプリケーションの基本的な機能をメニューとして並べたり、告知内容を表示するものであろう。そして、このアプリの「ホーム」に表示されているのは、本日の予約情報である。すると、確かにこのアプリは借りている部屋の席を予約したり、コ・ワーキング・スペースを予約するために使うのだから、予約情報が中心になっているので、予約に関わるメニューや機能が多いのは当然だ。でも、「本日の予約」と「予約の登録」と「予約の一覧」とをアプリのグローバル・メニューとして並列に三つも並べる必要があるだろうか。

次に、その本日の予約を表示している UI の設計だが、すぐにお分かりの通り(そして、これは Apple Store でも書いたのだが)、こんなに巨大な画像、予約情報の枠の半分ていどを覆ってしまうようなビルの写真を表示する必要がどこにあるのか。場所を見間違えるリスクを心配するなら、それこそ「御堂筋フロンティア」という文字列を目立つように配置したり彩色すればいいはずだ。東京と大阪の WeWork を拠点として頻繁に利用しているような人を想定するなら、「大阪」とか一定範囲のエリアを表す言葉を円で囲んでアイコンみたいに表示すればいい(アイコンを大阪なら赤、東京なら青などとしてもいいが、他のアプリで異なる配色を都道府県に使っていると混乱するので、お勧めはしない)。少なくとも、このような写真がなければ御堂筋フロンティアの情報であることが分からないような人がいるとは思えない。

そして、これも Apple Store で指摘したのだが、スマートフォン・アプリとして開発し、画面設計している筈なのに、とにかく UI 要素が小さくてタップしづらい。最近の若者は、多くのサイトで使われている色々なダーク・パターンの広告表示(非常に狭い領域を正確にタップしないと、別のサイトへ飛ばされてしまうようなパターン)に慣れているからか、非常に小さい UI 要素でも気にしないし、それを当然のようにデザイナーとして採用する傾向にあるようだ。まるでこの宇宙に高齢者や弱視、乱視、老眼の人が存在しないかのようなテンプレのセカイ系である。とにかく、こういう重要な機能へアクセスするための UI 要素は、無意味な玄関写真を半分のサイズにしてでも、更に大きく表示するべきである。

やれやれ。やっと右の写真に話を移すと、こちらは本日(京都へ出張した帰りに WeWork へ立ち寄る予定にしているので)の予約内容を表す画面である。まず、この左上に表示されている予約時間が、タップすると編集(変更)可能であるように見えない。いまどき、専門学校どころか高校の「情報I」ですら教えている「アフォーダンス」なんていう言葉をプロの開発者に教えることになるのは残念な話ではあるが、UI 設計と UI デザインの基本は、それが単なる表示内容・記載内容・掲載内容ではなく、インタラクティブであり、「UI」の要素であるようにユーザから見えなくてはいけないということだ。しかし、これは単なる予約内容を記載してある状況と見た目が変わらないので、タップして編集できるようには見えない。もちろん、僕のように不満や不信を感じたら手当たり次第に操作してみるような人間は、暫くすると気づく。でも、それを「学習」や「慣れ」と呼んでユーザに試行錯誤を委ねるのは、はっきり言ってデザイナーの傲慢であり怠慢というものである。そんなことをしなくても、見ただけで分かるのがベストに決まっているのである。自覚があるのかどうかは知らないが、液晶画面での UI 設計というものは、そのハードウェアという制約によって根本的にアクセシビリティが低い。視覚障碍者には操作不能であるか非常に難しいハードウェアであるという自覚があればこそ、視覚だけに頼ってデザインしているという前提で、視覚だけで色々なことを解決できるようにするのが、せめて制約された環境でものを作っているデザイナーの責任ではないかと思う。

それから、下の予約時間(「時刻」だけではなく、一定の長さをもつ「時間」)を帯状のグラフィックで表示する箇所も、はっきり言ってこんなものが必要なのかどうかすら疑わしいと言わざるをえない。しかも、実際に使った人はご承知のように、後から予約の開始「時刻」や終了「時刻」を変更すると、実は「時間」が優先されているので、開始「時刻」を12:00から13:00に変更すると、なんと終了時刻も一緒にズレてしまうのだ。「何時間使う」という時間の方が優先の UI だからだ。こんな仕様の UI は、Google Calender など他のアプリケーションでも、僕は見たことがない。なんでこんな奇妙な仕様なのか。なので、開始「時刻」や終了「時刻」を変更して、部屋やデスクを使う使用「時間」そのものを短くするには、結局のところ上のテキストをタップして出てくる画面で、開始「時刻」と終了「時刻」を同時に変更して反映させるという操作をしなくてはいけないのだ。面倒なことこの上ない。

といったわけで、わざわざこれだけ丁寧に「赤ペン先生」をしてやったが、そろそろ京都へ出張する準備をしたいので、これくらいにしておこう。

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