Scribble at 2023-12-30 18:49:03 Last modified: 2024-01-01 09:11:18
さて明日は大晦日ということで、MD でも今年のタスクで残したことを来年も引き続き課題として掲げる予定だが、今回はこちらでも書いておきたい。こちらでは、主に仕事の話をする。
弊社の人事考課に関連して、本年度の課題に社内研修を充実させるという項目を掲げた。もちろん、弊部(情報システム部)は事業部(プロフィット)ではないので、売上目標のような数値は掲げられないが、代わりに研修の回数を24回以上と設定してある。毎月の月末に定期的なオンラインの研修は実施しているので、それ以外に12回の研修を実施するということにしていた。これは、今年の中頃から IT リテラシーと呼べるような範囲の話題を取り上げる動画を毎週という頻度で配信するようになって、いちおう回数としては課題をクリアしている。
ただ、そんな数字の目標は大きな問題ではない。これは財務的な課題が単純に売上金額という数字だけで解決しないのと同じことだ。営業の場合、売上金額だけを増やすことに血道を上げるので、場合によっては口約束だけで売上を計上したり、来年の予定を取り付けるだけで売上を計上したり、その手の杜撰なことをやるので、そういう営業部の会社のキャッシュ・フローは当然のように悪化する。現金が会社に入ってこないのに売上だけはデカくなるので、端的に言えば売掛の売上だけで給料を上げろなどと社員が要求してくるからだ。僕らのようなバック・オフィス系の部署でも似たようなことは言える。研修の回数を24回に増やしたからといって、そんなものはただの数字にすぎない。実際に社員のリテラシーが向上したとか、情報セキュリティについて更に理解するようになったとか、そういう測定可能な範囲での効果が分からなければ、そんな研修の成果は単なる演説大会の記録にすぎない。しかるに、ISMS でも「力量の測定」が求められており、簡単に言えば従業員がどのていど理解してるかを確認しなくてはいけない。
恐らく、その最も公正な方法は、資格試験を受験させることだ。社内で僕らが実施している小テストだと、自社の事業に即した話題などを織り込んで「身近な事例で分かりやすい」ものにはできるが、その反面で自社の事業と直に関係がなくても知っておくべき一般常識などは、敬遠される。それどころか、「自分の業務に関わりがないので興味がない」とか、「自分の仕事に即して分かりやすい話題を提供するべき」などという虫のいい話をし始める。現今の日本で制作されている教科書や通俗本の多くが、海外の教科書と比べて、概して程度の低い、女子高生の下着みたいなイラストばかり散りばめる(これは飽くまでも「通俗化」の比喩だ)クズみたいな本を出版してばかりなのは、バカや学生どもに媚びるのがサービスとかアウトリーチだと錯覚している、教育や啓発とは何であるかを考えたこともない学生あがりの大学教員ばかりだからだ。もちろん、バイト経験だとか企業勤めの経験が何か特別な意味があるかのようなことを言う連中も概してバカだと思うが、しかし何にせよ自分たちの置かれている境遇から距離を取る想像力すらないようでは、金持ちの gifted だろうと苦学生の努力家だろうと無能は無能だ。
ということで、昨今は多くのネット企業で授業員に「ITパスポート」くらいの試験は受けさせているのを見習いたいし(受けさせていることという表面的な事実をではなく、受けさせることが当たり前の状況を作り上げたことにである)、弊社のようにプライバシーマークの使用許諾を受けている企業であれば、それに加えて部門長でも「情報セキュリティマネジメント」試験くらいはパスしてもらいたいという願望はある。まぁ、こんなことは大抵の中小企業では、倒産するまでのあいだに実現できる可能性など殆どないし、仮に上場したとしても一朝一夕には難しい。ただ、会社のマネジメントを預かる一人としてチャレンジするべき値打ちはあろう。
それに、このまえ連れ合いが高校の「情報I」の教科書を買ったのだが、これを見るとだいたい「基本情報処理技術者」試験と「ITパスポート」試験のあいだくらいの水準だ。これを標準的な高校生は習得して卒業してくるという前提に立って良いなら、なんで大人、しかもネット・ベンチャーの従業員が、営業であろうと経理であろうと取締役であろうと、高校生以下の知識やスキルしかなくて済ませられようかということだ。そう遠くない将来に、「ファイアーウォール」を知らないというのは、まるで「駅の改札」を知らないと言っているのと同じくらい非常識なことになるかもしれない。そんなわけで、来期はそういう地道な他部署との駆け引きとか交渉とか説得とか、そういうことにも取り組んでみようというのが目標だ。ただし、これは数値として設定できないことなので、人事考課の目標設定とは別の「裏タスク」ということになる。