Scribble at 2017-01-30 15:39:55 Last modified: unmodified
この一節も、因果関係の哲学というジャンルの概説書ではお馴染みの紹介パターンではある。しかし、これまでの研究者が “none has yet succeeded” であったのは、大多数の研究者たちの同意を得ることだったのか、それとも学説を立てること自体だったのかは、簡単に区別してどちらが正しいかを決めることはできない。とは言え、前者について成功を逃してきたという結果は、ここで詳しくその経緯を考察した結果として、何か哲学として間違った学説だったからこそ多くの研究者の同意を得られなかったのだと言えるかどうかはわからないし、哲学の学説としての欠点という理由であれば、何も人間関係や「政治的」な分析や考察がなくとも、後者について「因果関係についての(大勢から同意を得るという特徴というよりも)妥当な議論」が求められるべき基準から考察する方がよいのだろう。
その他、因果関係の概念が数多くの議論に関わっているという、これもまた非常にありふれた説明についても、多くを述べる必要はないだろう。