Scribble at 2025-10-28 11:55:06 Last modified: 2025-10-28 11:59:02

昭和だかパワハラだか精神論だかしらんけど、ネット・ベンチャーの社員として期待されるような人材だったら、あてがわれた業務用のパソコンで Wi-Fi 接続の調子がおかしいと思ったら、OS がサポートしているトラブルシューティングを一通り済ませる手順とか、ドライバを再インストールするといった手順は当たり前にやるものだし、NIC というハードウェアに問題があると考えたら、パソコンの買い直しだの修理だのと言う前に、USB のソケットに挿して使う無線 LAN の子機を自分で勝手にすぐさま買って使おうと思ってもいいわけだよ。こんなもの3,000円くらいで買えるし、なんなら近くにある家電量販店にすら置いてあることも多い。

つまりは、ネット・ベンチャーや IT ベンチャーの社員たるもの、最低でも半日の単位でものを考え、結論を出し、そして行動することが求められるわけで、いちばん浪費してはいけないものが時間なのだ。ただし、いわゆる「生産性バカ」であってはいけない。考えなしに、思いつきだけで手を動かして結果さえ続々と出していればいいわけでもない。ビジネスで求められるのは成果であり、それが業績として財務に大きなインパクトを与えられるかどうかが重要だ。結果だ成果主義だと言いつつ、上場企業や官公庁で(ついでに敢えて言えば「大学でも」)鼻くそほじっているアホどもと同じことをやっていては、事業としても経営としても、そして人としても負ける。

業務用の機器であろうと、それを効率よく快適に使うなら、自分で周辺機器やサポート用のデバイス、あるいは不調に対応して代替の部品を買うなんて、僕らのように日本橋筋のジャンク屋で抵抗やハンダを買っていたような人間から見れば当然のことだ。とは言え、会社から借りている機器は自分の所有物ではないのだから、僕は業務用のノート・パソコンにステッカーを貼るような連中には、いつも軽く腹を立てていた。

同じく、ノート・パソコンの筐体が変形したり、ヒンジが破損してくるなんていう、およそ普通に使っていれば起きないはずのトラブルが増えて、ノート・パソコンを置くときに壁際に置くなとか、高い負荷がかかる処理をするならクーラーが付いた台を使おうとか言ってるけど、あいかわらず筐体の一部が溶けるとか怖いことを言ってくる人たちがいて、何も対策を採ろうとしない。つまりは、会社に買ってもらえると思ってるし、それが当然だと思ってるわけだ。もちろん、うちはブラックではないだろうから経費精算すれば払ってもらえるだろう。なので、おまえら自分で選んで買うくらいのことは社会人としてできないのかって思うんだよね。

20年ほど、こうやってネット・ベンチャーの社員でありながらネットやオンライン・サービスやコンピュータの素人たちを100人以上は見てきてわかるのだけど、こういう人たちは、自分が仕事するためにどういう道具が必要で、どういう商品を買えばいいのかぜんぜん分からないし、分かるための知識を得るという意欲もない。つまり、コンピュータとか通信とかに全く興味がない人たちだ。でも、オンライン・サービスの会社で「講師」とか名乗って、コンピュータの使い方やコンテンツの利用方法を田舎の個人事業主とかに喋ってるのが、だいたいどこでもネット・ベンチャーに勤めている会社員の実情らしいんだよね。これは他の会社でも似たような話を聞くことがあるから、そんなもんなんだろう。まぁ、情弱ビジネスとはよく言ったものだけれど、俺らにしてみれば、俺の仕事自体が社内で情弱を相手にしてると言ってもいいわけで、コンピュータなるものが中小企業にも普及してから30年くらいが経つわけだけど、ペンやノート、それからファイリングとか整理整頓に拘る人が殆どいないのと同じく、コンピュータや通信についてもリテラシーというのはぜんぜん上がらないのだろうなと思う。

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