Scribble at 2025-08-29 11:56:55 Last modified: unmodified
我が家では、長らく夏場に訪れる客分を「先生」と呼んでサバイバルの師と見做してきたが、そろそろ止めにしたい。隠れる術について学ぶことがあったからなのだが、隠れ場所から出てきたときの振る舞いにしても、それから隠れているときの振る舞いにしても、冷静に考えると迂闊なところがあるように思う。
まず、彼らはそういう場所で起きる筈のない物音を平気で立てる。カサカサっとか、ゴソゴソっとか、どう考えても怪しい物音を立てるので、家具の後ろにいようと簡単に「いる」ということだけは分かる。ここで、もちろん実在論の話をしても仕方ないわけで、本当に何か物品が家具の後ろに挟まって音を出しているだけなのか、あるいは彼らの音なのかは、現実のリスク・マネジメントにおいては立ち止まって考えるようなことではない。ただの物品に殺虫剤を噴きかけて爆発するようなことはないのだから、どちらが事の真相であろうと、やることは同じである。
さて、彼らに対抗するための措置として、うちは長らくホウ酸団子を使っている。僕は薬屋の息子であったから、もちろん実家が薬屋をやっていた頃から他にも色々な商品があることを知っているので、バルサンだのコンバットだのも選択肢には入るわけだが、昔ながらのホウ酸団子でよいという結論だ。あれを家中に置くだけで、たいてい勝手に食べて死んでしまう。燻煙を使っても効果は一時的だし、コンバットは意外に食べないという。だが、このところホウ酸団子の効き目もなくなっているのか、風呂場の窓や(カビ防止で開放している)、あるいはキッチンの窓(これも少し開けている)から入ってきて住み着いている連中がいるようだ。特に、ここ数年は日本も非常に暑い日があるため、エアコンが置いてある部屋で見つかることが多くなってきている。
ということで、さきほど強力な薬剤(『ゴキッシュ スッ、スゴい! 60プッシュ』とかいう妙な商品名の)を買ってきて、ひとまず連れ合いが身の回りの物品で「要塞」を築いているエアコンの部屋に散布した。ただ、これは使いすぎるのもどうかと思う。そもそもホウ酸団子で済ませている理由でもあるが、あまりに強力で特殊な薬剤を使うと、「がんばりやさん(耐性種)」が出てくる可能性があるからだ。迂闊にそういうイタチごっこを自ら始めるのは愚かというものであろう。彼らにしても、別に人類の叡智に対抗しようとして生息しているわけではないのだから、オーバー・テクノロジーは良い結果をもたらさないと思う。