Scribble at 2024-10-21 14:43:24 Last modified: unmodified
そろそろ本の置き場所がなくなってきた。かといって、僕はどうもあの「トランク・ルーム」というサービスは信用できない。自宅の周辺にもあるが、僕の観察では平均して5年も保たずに廃業したりビルが無くなったりしている。ビルごと無くなるということは、要するにあの事業は使わなくなるか建て替える予定のテナント・ビルを一時的に借りて、駐車場みたいに期間限定で営業してるだけなんじゃないかという気がする。なので、何十年も任せられるようなサービスとは思えないし、そもそも自分たち自身が引っ越すといった事情で使えなくなる可能性だってある。
すると、上のような「自炊」のサービスを選ぶのが良さそうなのだが、会員登録だけはしておこうと思って「著作権について」というページを読むと、冒頭でいきなり上に引用したような文章があったので、会員登録はやめてしまった。なぜなら、自炊を受け付ける条件として「著作権者の許諾を得ているもの」とあるからだ。こんなもの、洋書の出版元に照会しても許可されるわけがない。Oxford University Press なんて、そもそも著作権が切れてる100年前の論文を翻訳したいと問い合わせてすら拒否されるくらいだ。これでは Sci-Hub などが流行るのも当然である。僕も、はっきり言えば例の「Springer 祭り」で大量の論文や本を Springer のサーバから根こそぎダウンロードしておいて良かったと思っている。サーバ技術者あるいは情報セキュリティのプロとして言うが、あんなのオープン・アクセス運動へのコミットでもなんでもなく、システム運用側のミスに決まってるからだ。サイトの運営側は「年末まで」などと、いかにもオープン・アクセス運動にコミットしたかのようなことを言っていたが、あんな致命的なバグを作り込むだけでなく、気付かないし放置もしていたくらいの無能が開発したり管理していたシステムなのだから、実際には修正の見通しがそれまでかかるという話だったのだろう。
ということで、いちいち著作権者の承諾なんてとる(とれる)くらいなら苦労はしないわけで、やはり自分で大きな裁断機とスキャナーを買うか、一度読んだものから続々と売っていくか、あるいは未読のものでも諦めて売り払うかの選択になるのだろう。もちろん未読の本も多いけれど、いまさら腰を据えて学ぶほどの価値があるかどうか不明な分野の本もたくさんあるし、Penguin から出てるノンフィクションの本も100冊は超えているが、これらの多くも金融バブルや第二次世界大戦や奴隷解放運動などの時代の個人の回顧録とかで、読む価値があるかどうか不明だ。