Scribble at 2024-09-15 12:22:45 Last modified: 2024-09-15 12:25:29
僕が Amazon.co.jp の運営体制を疑っているところがあるのは、出鱈目な「出版物」と称するメモ帳やノートの類を検索結果から除外するために使う negative keyword、たとえば "-notebook" とか "-graph paper" といったキーワードだけでなく、positive keyword としてたまに使う "university press" といったキーワードを使ったとしても、数日後には "universities press" などという出版元を騙る出鱈目な「出版物」が続々と登場していたという事例を何度か見ているからだ。
つまり、詐欺業者がユーザの検索キーワードの統計データを Amazon.co.jp から入手しているとしか思えない。ふつう、こんなデータは Oxford University Press などの正規の大出版社ですらリークしてもらえないわけなので、アマゾンが正式にこれらの詐欺業者と通じているのか、それとも一部の社員が勝手にやっているのかは分からないが、ともかくデータの運用状況として信用に値しないということだけは言える。まだ、あからさまに偽物を掴まされるという被害は受けていないし、こっちもとりあえずネット・ベンチャーの技術部長をやっている立場だし、それなりに風俗系も含めたネット・ビジネスの事情も弁えているから騙されることなどありえないが、それでも検索に酷い手間がかかることは事実である。
なお、"university press" というキーワードでヒットする著作物だけを調べるということに良い悪いの議論はあると思うが、出鱈目な版元も含めて検索するのに比べて、大学出版局だけを指定する方が歩留まりは圧倒的に高いのが当然だ。偏見だろうと差別だろうと、われわれ予算の少ないアマチュアには、経済合理性として権威の無い出版元を無視する権利があるし、クズみたいな本を読む暇などないという意味ではプロパーだって人生の残り時間は誰でも有限なのだから、成果を出す社会的な責任があればこそ、プロパーにはなおさら素人やアマチュアの著作物を無視して力強く研究を邁進させる義務すらあると思う。したがって、きみら科学哲学のプロパーも当サイトのようなリソースへアクセスする暇など無いはずであって、当サイトのような権威のない人間が書く文章は、せいぜい高校生や大学生や一般の人々が読めばいいのである。
ともかく、昔から言っているように、アマゾンはこういうメモ帳やノートを「出版物」として出品する詐欺師どもから消費者を守るために、「"independently published" な版元(KDP による自費出版)を除外する」という、まったく簡単な検索オプションを追加するだけで済むにもかかわらず、BBC がこれらのインチキ業者の実態が(マネーロンダリングを目的とする)北朝鮮やテロリストやヤクザや新興宗教団体だと報じてから10年以上も経過するのに何の対策もしていない以上は、どう考えても不正な売買と送金というトランザクションについての「共同正犯」と断じられても仕方のない無為無策や怠慢を続けているのである。