2018年11月21日 に初出の投稿

Last modified: 2018-11-21 14:32:12

残念ながら、これ一冊で科学史の概要が分かるような手頃な参考書は存在しない。主題によって適切な参考書は異なるので、随時、授業中にお伝えすることにしたい。

http://hps.c.u-tokyo.ac.jp/senior-division/curriculum/2010/i_23/index.php

廣野喜幸さんが2010年の履修ガイドで書いているコメントだ。そして、8年が経過した現在でも状況は同じだと言える。個々のテーマや人物について書かれた手軽な読み物は夥しいほど出版されているし、通史としても、内容の評価については異論があろうとワインバーグの本はよく売れたのだろうし、小山慶太さんによるエピソードを集めたような本も幾つか出た。京都大学学術出版会が出している化学史や天文学史もある。しかし、「科学史」となるとスケールが大きすぎるのか、いまだによいテキストは登場していないと言える。確かに読み物は多い。昨今は色々な人が「人類史」のような雑な本を書いているが、学術研究者としてはああいうものを読んでも仕方がないのだ(実際、ピンカーやブライソンや出口やハラリの本は小説ていどの読みごたえと教訓は得られると思うが、あれを学術研究の対象にするような人はいまい)。せいぜい編集工学おじさんや上場企業の無能なルート営業社員が流し読みしてネタに使うていどの効用しかあるまい。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook