Scribble at 2017-10-06 22:53:36 Last modified: unmodified

波多野さんに始まって広井さんや中島さんにしても、死生観を論じるときに時間の概念を据える人は非常に多いし、所定の根拠があれば当然だとも言いうるわけだけど、逆にそれだからこそ、止めようがないという理由でシニカルな結論に至り易いようにも思う。広井さんが『死生観を問いなおす』で書いているように、とかく死生観という話題は老人向けのものという固定観念が根強く、いまだに医学では老人看護学や発達(老齢)心理学で扱うテーマになっていて、しかも教科書ではいちばん最後に申し訳程度に押し込まれているのが実情だ。しかるに、「死」の問題をタブー視していると指摘されるのも無理からぬことだと思う。せめて中学生くらいからは真面目に取り組むべき話題にしてもいいと思うし、それによって何かメンタルにダメージを受ける生徒が出てきたらケアするのがよいだろう。別に老人だけが死ぬわけではない。小学生も小児癌で死ぬし、高校生でも突然死はするし、今日は出勤するときに観ている NHK のニューズで、子供を産んだばかりの三十代前半の女性が無痛分娩で不適切な麻酔を施されて亡くなるという事例も報道されていた。周りの家族にとっても、そして本人にとっても、別に平均寿命まで面白おかしく生きられる保証など何もない。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook